12月の読書〜本が慰めてくれる

12月は5冊でした。

高田郁『あきない世傳 金と銀(五) 転流篇』角川文庫、2018年
いつも読んでいるシリーズ。
呉服商人としてのキャリアを積み上げる主人公の成長が楽しみです。

何と言っても12月の圧巻は
山崎豊子『大地の子1〜4』文春文庫、1994年

『沈まぬ太陽』も壮大なスケールと緻密な人間模様が描かれており、ページを捲る手を止めるのが難しいほどでした。

大地の子では、主人公の一心が最後に、生まれた日本、育てられた中国のどちらを選ぶかを決断するとき、自分が大地(中国)の子だと言い切った時、国とは親とはなんだろう?と胸を突かれる思いがしました。
自分で選べるのか、選べないのか、、。
自分の命や生き方を翻弄する「国」を選ばなければいけない状況は想像を絶する。
おそらく、今日本や世界の各地で外国にルーツをもつ子どもたちの多くが今後、国を選ぶ(選ばない)という状況下でどのように逡巡し、決断していくのか、に思い至らせる物語だった。山崎は、作品のスケールをミクロにもマクロにもみせてくれます。
今の政治や経済のリーダーがぜひ読むべきだと思いました。

2018年は54冊読了。
だいぶペースは落ちましたが良い作品にもたくさん出合えて、幸せな読書ライフでした。
心の芯が寒くなったとき、涙が溢れそうになったとき、現実から目をそらしたくなったとき、本にどれだけ助けられたことか。
2019年もたくさんの本を手に取りたいと思います。できれば、読んだ本を誰かと感想を分かち合えるような機会ももっていきたい。

本好きな人と出会えますように。



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