【仕事】3月は役員会ラッシュ〜非営利組織のありかたを考える

3月、多くの組織が決算月を迎える。
私はいくつかの法人(任意団体含め)の役員を引き受けている。3月は毎週のように役員会(理事会)が開催されるので、それぞれの団体の運営について深く考える時期となる。

少し振り返ってみると3月は次の役員会が開催された。(最後はこれから)

●(特活)たかとりコミュニティセンター
神戸・長田区にあるNPOのネットワーク組織。発足は阪神淡路大震災にまでさかのぼる。
所属する10あまりの団体の各代表が理事を担う。私はAWEPの代表なので理事として参画。比較的小さな団体が多いけれど相互に協力できること、ブランド力がある。視察希望も多い。
立ち上がりが震災のボランティア仲間が出発点なので、組織的には基盤の弱いところも。資金の問題、担い手の問題、行政とのやり取り、地域関係者とのやり取り、など難しいかじ取りをいつも迫られているけれど、みんな仲がよい。

●(特活)すまみらい
神戸・須磨区にある精神障害者の総合支援組織。作業所、デイ、地活などを展開。個々に寄り添うスタンスを大切にしている。大規模、効率化の施策的流れがある中で、制度を活用しつつ独自の取り組みをする。私は理事を担いつつ、組織運営のアドバイスをさせてもらっている。職員のみなさんがすばらしい。

●多文化社会専門職機構
東京外大の研究チームで取り組んできた専門職の力量形成と社会的認知向上の取組みが結実した組織。私も10年余りチームに参加し研究を重ねてきた。一時はこちらの仕事をと思った時期もあり、思い入れが深い。私は監事として任を負っている。理事の多くは研究者ということもあり、組織運営の基盤作りの面で私の経験知を生かしたい。来年度は一般社団法人化を目指す。

●(特活)アジア女性自立プロジェクト
私が代表理事を務める団体。フェアトレードを通じた途上国の貧困女性の自立支援を行う。国内では外国人女性向けの支援活動を展開。先日読売新聞に掲載されたのもこの団体での活動による。
財政が弱く、小さい団体だけれど、素晴らしいスタッフ、ボランティアのメンバーにより支えられている。4年前に法人化し私が代表を引継いだ。法人化以来、フルタイムでスタッフを安定的に雇用できればと思っていたが、難しい。今後10年のビジョンを社会の変化とも考慮して練っていきたい。

最近思うのは、社会の課題に取り組む事業を展開するとき、現状の岩盤をぶち破る強力なドリルのような勢いが必要だ。それは邁進するエネルギーを持つ人がいい。組織の創立者は、そんな人ばかりだ。何事も前人未到のエリアを開拓するときはこういう人が出てくる。しかし、しばらくして活動が一定程度安定してくると、ドリルのような事業展開、運営だけではなく、組織の基本的基盤を社会制度に合せて整える必要も出てくる。人のモチベーションマネジメントも不可欠だ。しかし、ドリルのような創立者は、モチベーションはあって当たり前、のように考えている人も少なくないので、フォロワーのメンバーとは認識面でギャップがでやすい。
その移行の仕方、世代交代ともいうけれど、それが難しいのである。

それぞれの団体の役員を引き受けた、ということはその経営責任を引き受けた、ということだ。非営利組織だからといって役員の責が軽いわけではない。いずれの理事、監事にも覚悟を持ってほしいと思う。この業界、昨今不祥事が取りざたされる。次の時代のあり方とはなんなのか。社会の要請と個々の思いの重なるところ、常に模索が必要だと思う。
多文化社会専門職機構の理事会にて@神田


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