【仕事】なぜボランティアするの?

人が社会のために何かしたい、人の役に立ちたいというのは、承認欲求と言われます。
なにかと引き換え、ではなく、シンプルにその人の困りごとを共に解決していけるように、力を合せたいという思いは、なにも奇特な人ではありません。

きっかけはいろいろです。
世界の、社会の困りごと、を目にして、自分もなにかしたいと思うこともありますし、身近な人がその問題で苦しんでいるときに、行動を起こしたいと思うこともあります。
あるいは、過去の自分が受けた優しい心遣いや行為に報いたい、恩返ししたいという思いで、ボランティアを始めようと思う人もいます。

先日の相談者の方は、人に寄り添う活動がしたいとのことでした。ひとしきり活動先の例などをお話しして相談が終わったと思ったら、その人は戻ってきました。
実は、お連れ合いの方が自死されたことがきっかけでボランティアしたいと思ったのだと打ち明けてくれました。彼女の目から涙がこぼれていました。
自分は助けられなかった、という思いが心の中でぐるぐるととぐろをまき、その人を苦しめている。社会に貢献する、人の役に立つことで、そうした苦しみから解放されるのでは。意識せずともそんな思いがその方の目が語っていました。

何万回も口にしてきたことだが、タダですることがボランティアではない。

それは何度でもいいたい。思わず手を差し伸べ、そちらの方に向かって一歩踏み出してしまう、そんな思いなのです。そんな思いの人の気持ちを受け止め、ニーズ(人の手を求める声なき声)につなぎ、応えるのが私の仕事。

どんな相談者であっても、その人の思いの向こう側に物語がある。その声を感じ、受け止める。お話ししてくださって、ありがとう。
今日もそうやって相談者の方を見送ります。


コメント