【仕事】非営利組織の運営支援専門家としての

 非営利組織の運営のコンサルティングをしていると、非営利組織を安易に考えて来られる人もいる。すでにこの世界ではよく言われることですが、改めてまとめてみました。

 非営利組織は多様な財源を組み合わせる。会費、寄付など支援的財源、対価性のある事業収入、補助金、助成金など。組織の性格によって、組み合わせのバランスは異なるが、どれに偏っても非営利組織の持続的発展を目指すことは難しい。この点は営利組織と大きく異なる。
多様な財源を集め、活用し、管理し、報告し、再び多様な財源を得ていくためには、きちんとした日常の事務作業は不可欠。非営利組織の信頼性の根幹は、透明性。誰にでもわかる説明がなされること。そしてそれが出来るだけ素早く正しく公開されること。


非営利組織の運営のポイントは、民主性、メンバー間の対等性。意思決定の仕組み、つまりガバナンス。これが崩れていると、だいたい早々に組織は立ちゆかなくなる。だから設立時、組織の仕組み設計は非常に重要なポイントになる。
併せて重要なのは、リーダーシップ。半歩前を進みつつも、決して引っ張り続けない。メンバー個々の自発性を励ますような仕掛けやリーダーの姿勢が最重要。リーダー自身も迷うし、間違える。その時は絶対誤魔化さない。「開く」。開示し共に考えて解決に力を合わせようとするのだ。
 誰が運営を担い、日々の業務を引き受けるのか?運営の責任は役員にある。非営利組織の運営においては役員はボランティアであるのが基本。他方、日々の業務、外部からの問い合わせ対応、会計、CRM(顧客管理)、報告など諸事務には漏れがあってはならない。
 非営利組織の業務だから、日々の事務は無償が当然というのは全く間違い。事務は高度な専門性が必要だ。専門性を培うのに、一朝一夕にはいかない。そこに報いるのはその人のライフを保障することになる。ひいては、安定した信頼性ある組織作りに繋がる。
 しかし、立ち上げたばかりの組織は財源が乏しい。設立当初は手弁当で、というのはもちろんあり。しかしそれが当然というのではその組織の未来はない。何年後に安定的事務局にするのかのビジョンは必須。
 創立メンバーの思いを軸にしつつ、信頼性ある組織にしていくために。営利組織よりも、経営は難しいところが多い。運営相談の専門家としても、専門性を高めてより良い支援をできるように知見を深めていかないとと思う。

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