【読書】7月の読書〜超絶の世界

7月は1冊を読みきれなかった。

厳格な哲学者。
そんなイメージをぶち壊すほどの意外なインパクトがあった映画「ハンナ・アーレント」
真実を徹底して伝えようとした熱意、「悪の凡庸」。
他方でユダヤ人として大学教授と不倫し、タバコを吸い、といった奔放な生き様はとても魅力的だった。

実は彼女の著作は、あまり読んだことがなかったが、改めて大著を紐解くことにした。

1、2ページ読んでは元へ戻るという繰り返し。
原文の英語も超難解。よくここまでクリアな日本語に翻訳されたと感心しきり。だからといって理解しやすい、というわけではないのですが。

ハンナ・アレント『人間の条件』ちくま学芸文庫、1994年。

政治哲学者のアレントが世界に強烈なインパクトを与えた大著作。
人間の活動的生活を「仕事」「活動」「労働」に分けて解釈、労働が他の二つを凌駕し、人間の生活や思考を支配していると彼女はいう。
そして、仕事人によって専門化していた仕事が、分業化して「労働」となる。

心にズシンと響く。そこにはかつての奴隷に、現代のいわば「奴隷」が重なる。流行りの言葉で言えば、社畜化し、仕事としての専門家がいなくなる、、、と。そして労働は消費と直結する。労働とはすげ替え可能な「マンパワー」でそこに専門性は不要である。

私は直感的に、そんな「労働者」に成り下がるのはいやだ。

まだ第3章の途中。6章の終章まであと半分ほど。

頭を抱えながらの、ゆるりゆるりの読書もよいものです。
もうしばらくこの夏はアレントと格闘です。

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