【読書】6月の読書〜湿度の高い作品4つ

6月に入って間も無く入梅しましたが、雨はさほど降りませんでした。
昼間はからりと晴れた日も多く、5月よりも過ごしやすかった。

お気にいりの新潮社クレストシリーズを攻めようと月初に図書館へ。
4冊借りましたが、読み切れたのはジュンパ・ラヒリだけ。

30冊目
ジュンパ・ラヒリ『低地』新潮社、2014年
図書館で見つけた。
ラヒリの長編。
インド出身の兄弟を軸に物語が展開される。
短編小説を得意とするラヒリ、長編にも短編的な書き方で人物に迫る。
登場人物ごとの視点で語られる。だからだれもが主人公にも思える。
嫁としてアメリカに連れてこられた女性が次第に主体性を持って動き出すところが興味深かった。面白いが、かなり重いテーマを含む。
31冊目
ジュンパ・ラヒリ『その名にちなんで』新潮社、2004年
ラヒリファンの友達が貸してくれた。
なぜか著名なロシア人作家の名前を幼少期につけられた主人公の話。彼が経験する様々な恋愛を軸に物語は進む。
恋愛小説を読むのは、今実は辛いのだけれど、結末が衝撃だった。
永遠だと思ったのに、、でもそんな関係は幻影なのかもしれない
と思わせられる。

32冊目
椹野 道流『最後の晩御飯 忘れた夢とマカロニサラダ』角川文庫、2017年
これも知人に借りた。シリーズ最初から読み続けているが先に読んだ本と真逆な位置にある軽さ。電車の中、2時間で読めた。登場する料理は興味深いので作ってみたいと思うkれど。

33冊目
山崎豊子『花のれん」新潮文庫、1958年
吉本興業の創業者がモチーフとのこと。大阪の商業界でたくましく生きる女性、根性の座り具合が只者じゃない。だが、それと引き換えに失うものも多い。
息子との関係、恋愛、、、涙をのんで商売の道をひた進む彼女に共感半分、なんだかなあ、半分。

この4作品、梅雨時の湿り気を纏ったものばかりでした。
ちょっとペースダウンですね。
今年も100冊はちょっと難しいかな。
7月はハンナ・アーレントの『人間の条件』からスタートです。

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