【読書】3月の読書〜短編愛

3月も精読。のんびりと好きなように読む。

17冊目
イーユン・リー『千年の祈り』新潮社、2007年
読書好きの友人に勧められた、新潮社のクレストシリーズから1冊を選んだ。
北京生まれで米国在住の中国人作家のデビュー作。いくつもの賞を受賞しただけあって、素晴らしい作品。どの物語も一筋縄ではいかない主人公や登場人物たちの描かれ方にハッとさせられた。中でも小学生の男の子に恋心を抱く50歳代の老女の話はインパクト大。
長編ばかりしばらく読んできたけれど、短編集も見直した。
読んでよかったと思った作品。
https://www.amazon.co.jp/%E5%8D%83%E5%B9%B4%E3%81%AE%E7%A5%88%E3%82%8A-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%A6%E3%83%B3-%E3%83%AA%E3%83%BC/dp/4105900609

18冊目
ジェームズ・ボーエン『ボブという名のストリート・キャット』辰巳出版、2013年。
ドラッグで心身をボロボロにした著者ジェームズが出会って人生のパートナーとして歩む猫ボブとの生活を描いたエッセイ。「ビッグ・イシュー」という雑誌を路上で販売して生活するジェームズ。彼がいかにボブを支えにしているかが伝わる。ドラッグ依存からの回復のプロセスや英国でのドラッグ依存者のサポート状況も知ることができた。
このボブ、とても可愛い。ひょいとジェームズの肩に乗って街を移動する様子。ジェームズへの思いやり。
私もひょんな出会いから黒猫を一時飼ったことがあり、その時を少し思いだしてしまった。

19、20冊目
山崎豊子『運命の人(一、二)』文春文庫、2010年。
1970年代、沖縄の基地返還時の日米間交渉の密約を追う記者の物語。
山崎の筆力が唸る。圧倒的なあぶり出し方だ。
あと、3、4巻が続くが、あまりの重さに読み進めるのに時間がかかっている。

3ヶ月で20冊ペース。
須磨の道端で

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