【読書】「ヒリヒリする痛みと死への渇望と生の希望」

2月14日。ちょうど今月の折り返し地点ですね。

2月前半に読了した本。
11冊目
中村文則『土の中の子供』新潮社、2005年。
芥川賞受賞作品。
暗いとか重いとか言われるが、私はそんな単純な感覚を持たなかった。人間の一面、一部を露出してヒリヒリとする痛みを喚起させてくれた。読んでいる時に涙がでた。(最近とみに涙もろい)

親からの暴力、チンピラみたいなやつからの暴力、自分への暴力。
死への渇望をもちながら、どこかしら生への微かな光を感じられた。最後はわずかな希望を与えてくれる。

私は、中村さんの作品として「掏摸」で注目したのだが、この作品もよかった。
読者の中の痛みをえぐって、そしてなぜか少し慰めてくれる。今後の作品にも注目したい作家。

12冊目
岡村浩嗣『ジムに通う人の栄養学』講談社、2013年。
運動しない人にも、ハードなトレーニングやスポーツをする人にも役立つし論理的に書いてあって分かりやすい。
アミノ酸の結合など化学的なポイントも押さえてあり。栄養の摂りかたが理解できれば、サプリもプロテインもいらないなと思う。痩せるには食べろ、という意味がよく分かりました。私は痩せたくないのでちゃんと食べなくては。

13冊目
石井直方『トレーニング・メソッド』ベースボール・マガジン社、2009年。
一人でトレーニングすると誤った方法に陥ることがあります。できればトレーナーに教えてもらうのがいいけれど、それもなかなか難しい時にはおすすめ。
私も自己流になってきていると思うので、お手本にしています。
私の場合、拮抗筋を鍛えられてないのがよくわかりました。

14冊目
誉田哲也『幸せの条件』中公文庫、2015年。
誉田さんの作品を初めて手にしてみました。図書館で所蔵していたものでたまたまタイトルにピンときて取り寄せてみました。
読み始めは、文体に馴染めず読みにくいなと思ったのですが、地方の農業の問題、原発の問題、などなかなか芯のある社会的なテーマで丁寧に背景も細部も描かれていて好感をもち、ぐんぐん読めるようになった。主人公は20代の女性。よくありがちな恋愛的なものもあまりべたっと描かれず、むしろすっきりしていてよかった。最後まで描き切らない、つまりその先は?と読者に任せた感じも、意外性があって面白い。

ちょっとスローペースの読書。
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